第18話 コロナ禍における消費のトレンド

今回は、今年の春以降、大きく様変わりした、私たちの価値観や生活スタイルと、それに伴う消費行動の変化についてお話ししたいと思います。


「応援消費」がトレンド入り

最近“応援消費”という言葉をよく耳にします。2020年上期の日経MJヒット商品番付でも“大関”に選ばれました。

元々は東日本大震災の被災地支援のための消費を指す言葉でしたが、コロナ禍において、消費行動の大きなトレンドとして再び注目されるようになってきたといえます。

20~60代の男女1,000名を対象とした、とある金融機関の最近の調査によれば、60%近くの人が『お金は誰かのためや共感できるモノに使いたい』『モノよりコト消費を重視したい』と考えているそうです。さらに約3人に1人が“応援消費”の経験があり、また未経験者もでも2人に1人は魅力的な考え・行為と思っている」ということで“応援消費”という切り口は、消費者の反応がいい。

味守りプロジェクトも応援消費を目指している※クリックするとリンクに飛びます。

「応援消費」の多様化

しかし今は日本中が、世界中が困っています。

“食”の分野においても、飲食店はもちろん、卸、生産者・メーカー、など川上から川下まで、様々なところで悲鳴が上がっています。つまり“応援消費”に訴えかけるケースもそれだけ多種多様になってきています。

しかし、その中でも反応の良し悪しがあり、そこには、売り手の知名度や規模や業種にかかわらず、好結果をもたらしている共通項が見えてきたのです。

そもそも“応援消費”の魅力は何かというと

『自分の行動が、誰かのためになっていること』というのが最大の理由。

そして消費者が行動を起こすきっかけが

【商品やサービス、あるいはお店に共感できるから】

という点。

これが、数多くの案件からあなたのお店が選ばれ、“応援”していただけるカギなのです。

前回のコラムでも、今時は困っている方は声を挙げてくださいとお伝えしました。ストレートに「困っています。」でももちろんいいのですが、商品やサービス、あるいはお店に共感していただく ためにもう一工夫することで、数多くの「Help!」の中から選ばれやすくなるはずです。

無観客周年祭

例を挙げてみましょう

『困っているミュージシャンを助けたい』という姿勢が共感を呼んだ、無観客周年祭

多彩なライヴと美味い酒&料理が人気のお店です。毎年周年祭は大いに盛り上がるんですが、2020年の周年祭はまったく状況が違っていました。オーナーが悩んだ末出した結論は

『今年の周年祭はお店にご縁のあるミュージシャン達を応援する会にする』

というものでした。

お店も厳しい状況ですが、ライヴで生活をしているミュージシャン・パフォーマーの皆さんの厳しさはそれを上回るもの。そこで今年はお店の利益にはいったん目をつむり、周年祭の売上げから必要経費を差し引いた収益を全部出演者のギャラに回す、というものでした。

具体的には、お店からの無観客ライヴ配信という形です。

そして、オーナーはその思いの丈を、Facebookやブログで熱く語ってくれました。読み終えた直後私は即申し込みました。ちなみにチケット代は3,500円。

お酒や料理は自分で用意して自宅で楽しむスタイルです。

出演者は私の知らない方ばかり(知名度ではなく、私の好みが非常に偏っているのであしからず)、しかもナマではなく、オンライン配信。でも私は迷わず申し込みました。これは言うまでもなく、私がオーナーの考え方に“共感”したからです。 お店としても初の試みだったオンライン周年祭は大好評でした。

「思い」を明確にすることの大事さ

前回のコラムで紹介した、廃業を覚悟し、最後のつもりで、地域の困っている人たちに弁当を無料で配布する活動を始めたところ、応援者や、支援金が続々集まり、業績が昨年並みに戻った。なども同じ考え方です。「自分自身も困っているけれど、それでも誰かを助けたい!」という姿勢が共感を生みました。

共感を得るための切り口はお店によってそれぞれと思いますが、大事なことは“なぜ”そういう取り組みをするのかを伝える事。

これは常日頃からお店の“思い”を明確に発信しているところほど強いです。

※コラム第9話10話参照

“応援消費”は、お店とお客さんが、売り手と買い手という関係ではなく、価値観を共有している仲間同士という意識が強いほど効果を発揮するもの。地元に愛され、地域に根ざしたお店の強味が活かされる消費のトレンドと言えます。

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