第68話 集客UP実況中継-ランキング発表

今回は、コラム第58話「売上アップのワザ」に関連した最新の成功事例をご紹介したいと思います。

そのワザとは「ランキング発表」。毎週とか毎月、人気のメニュー(ベスト3・ベスト5等)を発表していくというものです。

※詳しくはコラム第58話をご覧ください

緊急事態宣言解除後、食事メインのお店&昼型のお店には、追い風が吹いています。

先日家族で、あるショッピングモールに出かけましたが、モール内の飲食店はほとんど満席!フードコートも人であふれていました。あの光景を目の当たりにすると、飲食店にお客さんが戻ってきたのを実感します。

私の周りでも、ランチの売上構成比が高めのお店は10月以降、売上を伸ばしているお店が多いです。

そんな中、9月半ばから「ランキング発表」に取り組み、10月から導入を開始して、結果を出しているお店があります。

実践していただいたのは、席数50席ほどの定食屋さん。営業時間は9時から19時30分で、仕事帰りの夕食にも対応してはいるのですが、朝食と昼食が売上の大半を占めているお店です。(16時以降の売上構成比は全体の10%ほど)

今年の8月から、コンサルティングを始め、今後の方向性や新たな戦略の検討と同時並行して、すぐに取り組める策にも着手していただく形を提案しました。その一つが「ランキング発表」です。

私がおススメしているのは、売れた数(出食数)だけでなく、売上高ランキング、粗利益高ランキングも集計し、メニュー一品一品がどの程度売上や利益に貢献しているのか等も加味したうえで発表していくやり方です。

ということでまずはメニュー分析を実施していただきました。

例えば、ベスト5まで発表する場合、4位5位あたりは、(お店として)もっと売れてほしいメニューを投入していくイメージです。

売れている数(出食数)は7-8位ぐらいなのに、売上高や粗利高ランキングで5位以内に入っているメニューがあれば、ベスト5に入れて発表していきます。そうすることで、そのメニューに注目が集まり人気が出て、やがてはお店の収益改善につながります。もちろん、実際の人気ランキングとあまりずれてはいけませんが・・・

このお店もベスト5までを発表することにしました。集計・分析の結果、2つのメニューが人気も、売上も、利益も他を大きく引き離していたので、文句なく1位と2位に。それ以下は混戦でしたので、3位4位5位は、売上・利益への貢献度や、お店の個性をより表現しているメニュー(このお店の場合、地産地消や安心安全食材)といった要素を加味して総合的に判断して決めることになりました。

また、成果につなげるには、お客さんがメニュー選びをする際、ランキング発表していることに気づいていただく必要があります。このお店は券売機で注文するお店でしたので、A4ペラで作成したランキングシートをパネル状にして、券売機につけました。また、店頭のメニュー看板(自立式のA型看板)にも取り付けました。

ちなみに、ランチの場合、毎週発表していくのがベストですが、まずは隔週で発表していくことに決定。

ランキング発表(実物)

なお、ランキングは常に変化するものなので、手書きのシートやポスターとか、黒板やホワイトボードに書くといったスタイルの方が、情報の鮮度が感じられ、お客さんに伝わりやすかったりします。

このお店でも最初はパソコンできっちりレイアウトして、写真も入れて作ったシートを1か所に貼っただけでしたが、お客さんの目に触れさせることと、伝わりやすくする効果を意図して、手書きシートも作成し店頭及び店内の複数の場所で告知するようにしたのです。さらに、お店と連動する形でSNSでもランキングを発表。

これら一連の取り組みの結果、10月売上は、9月に比べ15.6%の売上アップ!11月も25日時点で10月の同時期の売上を上回っています。9月までは昨対も下回っていたのですが、10月は昨年を上回りました(昨対112.2%)

もうしばらくデータ収集と分析が必要ですが、緊急事態宣言の解除等で追い風が吹いたとはいえ、ベスト5で発表したメニューの出食数は明らかにアップしており、沈滞気味だったお店のムードは好転しました。

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【土屋先生からの一言】

まだ不確定or不安要素もありますが、10月以降、飲食店(特に昼間の外食ニーズ)は確実に高まってきています。

取り組めばまず間違いなく成果が出る「ランキング発表」

ランチメニュー人気ランキング、

デザート人気ランキング、

人気ドリンクベスト3、

テイクアウト人気ベスト5、

冬メニュー人気ランキング etc. 色々応用が可能です。

できるところから始めてみてはいかがでしょう?


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