第69話 深化と進化

2021年もいよいよ師走、何かと忙しくなってきました。先週のコラムでも書きましたが、10月以降は新型コロナの新規感染者数なども落ち着き、緊急事態宣言や時短営業も解除され、食事メインの昼型のお店中心に追い風が吹いています。

しかし、居酒屋などお酒メインの夜型のお店の回復が遅れています。忘年会の予約もコロナ前のような勢いはありません。

さらに今、新型コロナの変異株“オミクロン株”の出現など、新たな懸念材料・不安要素も出てきました。

そこで今回は、来年に向けての(特に夜のお酒メインのお店の)戦略や方向性について、地域密着の飲食店さんとの日々のやりとりや、仕事仲間、知人・友人との情報交換等もふまえ、私なりの考えをお伝えしたいと思います。

参考になれば幸いです。

まずは、最近の忘年会事情を確認していきます。

聞いている範囲では、今年忘年会に参加するという方は、全体の3割~4割といった感じです。しかも会社や組織の忘年会より、プライベートな「お疲れさま会」の方がかなり多い印象です。あなたの周りではいかがでしょうか?

また、あるデータによれば、コロナ前の2019年には1人当たり平均2回程度だった忘年会への参加回数が、今年は0.6回程度だそうです。

忘年会の売上構成比が高い居酒屋系のお店からは「予約はコロナ前の半分~6割程度。」との声を多く聞きます。

また、国や自治体の制限解除はかなり進みましたが、従業員の感染を懸念する企業は多く、会社の飲み会や外食のルール緩和は意外に進んでいません。こうした事も今年の忘年会予約の鈍い動きに影響を及ぼしているとみられます。

そしてこれは長引くコロナ禍において私たちの生活スタイルが変容したことがそもそもの原因で、この傾向は今後も続くと思われます。

いくら感染が落ち着き、ワクチンが行き渡り、さらに有効な治療薬が普及したとしても、私たちの生活スタイルはコロナ前と同じには戻らない(戻れない)と考えるべきでしょう。

その結果、これからの飲食店(特にお酒メインの夜型店)にとって、二つの重要な「キーワード」が見えてきました。

それは・・・

「深化」と「進化」 

「深化」とは、今までの戦略をさらに深く追求し、磨きをかけること

具体的には、このコラムで一貫してお伝えしている「繁盛の二大法則」のさらなる追求です。

繁盛法則その1“お店のブランド化”を深化させる

2020年春以降、店前を通って偶然立ち寄るとか、グルメサイトで見かけて予約、といったフリー集客の比率が大きく下がり、知名度の高いお店や、行ったことのあるお店の利用率が高くなっています。その傾向がコロナ禍においてより顕著になってきています。

今、お酒メインの夜型店でしっかり集客できているのは、憧れのor誰もが知っている「有名店」か、特定の利用動機で地域一番のお店(例:記念日のお祝いをするならあのお店)のどちらかといっていいでしょう。

あなたのお店が、地域一番の有名店であればその強みを活かし、他では真似のできない、特別な料理やおもてなしにさらに磨きをかけてください。

そうでなければ。あなたのお店ならではの「特定の利用動機」を一日も早く明確に絞り込み、その利用動機での地域一番を全力で目指していただきたいと思います。※コラム第7話~14話も参考にしてください

繁盛法則その2“お客さんとの定期的な接触”を深化させる

フリー集客のパワーダウンは、お店の情報発信にも大きな変化をもたらしています。不特定多数の方向けの告知はますます費用対効果が合わなくなり、一度でも来店していただいたお客さんに、お店を忘れないでいてもらい、興味を持ち続けてもらい、また来ていただくためのアプローチがこれまで以上に重要になっています。顧客リストの価値もますます上がっています。

※コラム第1話~6話も参考にしてください

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【土屋先生からの一言】

以上「深化」についてお伝えしてきましたが、実はそれだけでは、私たちの生活スタイルの変容に対応するには不十分です。

特定の利用動機で地域一番を確立し、これまで以上の情報発信力で既存顧客の心をつかんでも、今までのようにお客さんは来てくれない可能性が高いです。

(特にお酒メインの夜型店は)

人が集まること、人との接触そのものがリスクであるコロナ禍において、お店が売上を作っていくには、もう一つのキーワード「進化」も重要です。

新たな年に向けた、飲食店が取り組むべき「進化」については次回詳しくお話させていただきます。お楽しみに!


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