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第58話 <<実証済>>売上アップのワザ

今回は、実践すればまずどのお店でも売上がアップする“ワザ”を紹介したいと思います。実際に様々なお店でいい結果が出ているものばかり。テイクアウトなどにももちろん有効なので、ぜひ活用していただければと思います。

ただし、あくまで“ワザ”です。長期的・安定的な繁盛を実現するには、地域密着のお店ならではの【繁盛の二大法則】にしっかり取り組んでいただくことが前提ですので、そこはお忘れなく。

※繁盛の二大法則って何?という方はコラム第1話第13話をご覧ください

ワザその1 ランキング

1週間とか1か月単位で、注文数の多いメニュー(ベスト3、ベスト5など)を店内で発表するというもの。

これはカレー、パスタ、ラーメンなど専門料理店に特に向いてます。こういったお店は、新メニューを出してもお客さんに、季節感や目新しさを感じてもらいにくいという悩みを大なり小なり持っていることが多いです。

でも、例えば毎週ランキングを発表することで、お客さんは毎週新メニューが発表されるような感覚になるもの。これによって、再来店率が確実にアップします。

また「〇〇カレー」「××カレー」「△△カレー」等々、ずらっと並んだメニューを見て迷ってしまう初めてのお客さんにも、ランキングは重宝されます。お客さんのオーダー時間が早くなるので、お店にもプラスです。

レストランでも、居酒屋でももちろんこの技は使えますので、もしお店に「変化が欲しい」「マンネリ気味を打破したい」などお考えでしたら、使ってみてください。

居酒屋のようにメニューが多いお店なら「魚料理部門人気ベスト3」「〆の一品人気ベスト3」といったジャンル別のランキング発表もいいと思います。

オープンから3年ほど経過し、売上も客数も停滞気味だったあるパスタ専門店にも実践していただいたところ、即、効果が出ました。

毎週決まった曜日に来店し、必ずといっていいほど同じメニューを注文するコアな常連さんが多かったお店ですが、ランキングを発表するようになってから、多くの常連さんが、週2-3回は来てくださるようになりました。自分のお気に入りメニューがランク入りするのかどうか気になる方が多かったようです。また、新規のお客さんの来店もアップ。

また、人気no.1メニューの粗利の低さに悩んでいたラーメン専門店でも、毎週ランキング発表をするようになってから、そのほかのメニューも注目されるようになり、売上・客数は微増でしたが、利益が結構改善しました。

ワザその2 〇〇 vs. △△

唐揚げ定食 対 チキン南蛮定食、チーズバーガー vs. シュリンプバーガー

のように、ジャンルや価格帯が近い2種類のメニューを「対決」風にアピールすることで、他のメニューより大きく際立たせることが可能になります。実際の人気投票なども同時に開催すればさらに注目度アップ間違いなし。

この「〇〇 vs. △△」で今まで一番大きな成果が出たのは、あるもんじゃ焼き店。もんじゃと言えばトッピング選びも楽しみの一つですが、このお店では明太子、チーズ、豚バラ、餅、あたりがいつも人気上位で、それにエビやイカ等が続くといった感じでした。

お店に新しさや活気を出そうと、色々な新メニューを投入してきましたが、定番メニューの壁は厚く、新メニューはことごとく短命に・・・

そんなある時、試行錯誤の末ようやくご主人も納得の新メニューが2品完成したのです。スタッフや一部の常連さんの試食での評判もよく、今度こそという思いで発売を開始することにしました。

しかし、それまでの苦い経験を踏まえ、まずメニュー名を一工夫しました。

「トマト・ベーコン・チーズをトッピングしたもんじゃ」は「トマベチ君」

「味噌・ネギ・豚・チーズをトッピングしたもんじゃ」は「みねぶち君」

と命名。(お客さんをいつも笑わせている陽気なご主人ならではのセンス)

そして「トマベチ君」vs.「みねぶち君」の新メニュー人気対決!

と打ち出したのです。これは受けました!さらにご主人はブログに毎日新メニューのオーダー数をアップ、対決を盛り上げました。結果この2つの新メニューは長く人気となり、定番メニューの仲間入りを果たすことができました。

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【土屋先生からの一言】

「ランキング」も「vs.」もテイクアウトに活用できる、というかテイクアウトにこそ効果的と思います。

席に座ってじっくりメニュー選びをするのと違い、テイクアウトは一瞬が勝負。そんな時、おススメのメニューがすぐにわかったらどうでしょう?購入率は確実に高まります。

それに、お客さんはちょっとわくわくしますよね。コロナ禍の今、以前のような“おもてなし”はできませんが、お客さんを楽しませる事を忘れないでいただければと思います。


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