第77話 まずやるべき事は一つ!

引き続き、オミクロン株による感染が広がっています。しかし、コロナの感染拡大はもちろん大変ですが、昨年秋からの食材関連の値上げラッシュがボディブローのように、飲食店の経営を圧迫してきているのも事実。

また、ここにきての原油価格のさらなる高騰で、レギュラーガソリンの小売価格は1リットルあたり170円を超えました!13年ぶりのことだそうです。

原油価格の上昇は、ガソリンだけじゃなく、各種燃料、プラスチック等石油化学製品、各事業所やお店の光熱費、様々な製品or商品の物流費など、あらゆるジャンルのコストを押し上げています。

これらすべてが飲食店(だけではありませんが)の体力をどんどん奪い、その結果苦戦を強いられているお店が増加。

一方、このような状況下でもコロナ前とそれほど変わらない売上をキープしていたり、コロナ前にあと一歩に迫る売上げを残してきているお店もあります。

この違いは一体何でしょう?

業種業態による有利不利、周辺の競合状況、個々の店舗力等、様々な要因もあるとは思いますが、私がこの2年、コロナ禍で頑張る様々なお店を応援してきた中で、気づいたことがあります。それは堅実なお店と苦戦しているお店に、たった一つ違いがあった事。

その違いとは・・・

既存客や見込み客に情報発信をしているかどうか

やった方がいいという話じゃなく、もしこれをやらなければ、何をどう取り組んでもいい結果は出ないでしょう。ぜひ最優先でやっていただければと思います。

具体例を一部ご紹介します。

例1.
開店以来7年以上、定休日以外1日も欠かさずお店のFacebookぺージに記事を投稿し続けている栃木のビストロは、コロナが始まった2020年の1年間、好調だった2019年の売上を一度も下回っていない


例2.
2017年頃までは、週に1回程度のブログ投稿だったが、2018年以降徐々に頻度を上げ、今ではほぼ毎日投稿している愛知のバーは、テイクアウトもデリバリーもやっていないが、2022年も元気に営業中

例3.
5年以上、毎日ブログとTwitterでつぶやいている東京の鉄板居酒屋は、テイクアウトでもしっかり売上げを作って、居酒屋業界全体では前年比42%減だった2021年もほぼ前年並みの業績をキープ

例4.
4年ほど前からインスタグラムで、毎日投稿している愛知の食堂は、昼重視の営業に切り替え、2021年は2020年より売上アップ!2019年と比べても6%程度のダウンにとどめている

立地も知名度も業種業態も規模もバラバラなお店です。コロナ禍での取り組みも様々です。テイクアウト、営業スタイルの変更(昼・食事中心)、あくまでイートインオンリー等、様々です。しかし、程度の差こそあれ、どのお店も経営が成り立っています。情報発信をしていないお店との差は歴然!

しかし、いきなり毎日SNSに投稿とか無理と思ってらっしゃる方もあるかもしれませんが、最初は週に1回でも3日に1回でも構いません。不定期でもいいのです。とにかく始めていただく事が大事。それがサバイバルの基本です。

もちろん、どうしてもネットは苦手、という方は月に1回ハガキを送るのでも同等(あるいはそれ以上)の効果はあります。しかしそれにはお送りするお客さんの顧客リスト(目安は席数の20倍)を持っていることが前提です。そうでなければリストを毎日コツコツ集める事から始める必要があります。それとハガキ代(or郵送費)と印刷代が別途かかってきます。

いずれにしてもこのコロナ禍、すぐに効果が出るとは考えにくいもの。短期で見れば、やってもやらなくても結果は同じかもしれません。

しかし、お客さんは常に情報発信をしているお店のことは忘れません。

していないお店との差はじわじわ広がっていくのです。→ココが大事

食べに行くのはちょっと、と思っていても、お店がテイクアウトやデリバリーを始めたらどうでしょう。覚えている(日頃情報発信をしている)お店が呼びかければ、そうでないお店より確実に高い反応が出る。

これが、必ずやっていただきたい理由であり、もしやらなければ、何をどう取り組んでもいい結果は出ないのではないでしょうか?

既存客及び見込み客に、こまめに情報発信をしていくことが、コロナ禍における業績立て直しや集客アップの第一歩と認識し、取り組んでいただければと思います。

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【土屋先生からの一言】

実はこのお話、2020年秋の第1話でもお伝えしています。ですが、この1年半様々な事例にかかわってきた結果、改めてお伝えしなければと思い、書かせていただきました。

ただ、情報発信と一口に言っても、どんな情報を発信すればいいのか悩むかもしれません。そんな方はコラム第4話を参考にしてください。

また、例1.でご紹介した栃木のビストロを詳しく紹介している、第26話27話

も参考になると思います。


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