第67話 集客UP実況中継-縁起物パワー

いよいよ2021年も残すところあと1か月余り。これからの時期は、きたるべき新年の運勢を占ったり、受験シーズンを直前に控えた合格祈願など、何かと開運幸運を願う時期ではないでしょうか?

私事で恐縮ですが、我が家の娘も来年大学受験を控え、親子共々そういった関連のキーワードに敏感になっています。

そんな時期だからというわけではないですが、今回はいわゆる開運・幸運・縁起物、といった切り口は、ビジネスにおいても、非常に有効、というお話をしたいと思います。

コロナの少し前から取り組みを始め、今も継続して成果が出続けている、ある農家さんの事例をご紹介します。

2007年の農家さん向けマーケティング&ブランディングセミナーに講師として呼ばれたのがきっかけで、お付き合いが始まった農家さんです。

園主は地域の新規就農者のための相互支援グループの代表も務めている方で、ご自身も首都圏から移住してこられたIターン就農者(すいか農家)でした。

手間と愛情をたっぷりかけて作られた“すいか”は絶品!私もすっかりファンになり、今ではここのすいかしか食べないほどです。

一般顧客への直接販売(なかでも通販)に力を入れていて、商品力の高さときめ細かい顧客フォローで、順調に実績を積み上げてきました。

しかし、3年ほど前、あるお悩みを相談されたのです。

園主「ウチのすいかは、大きく育てば育つほど、甘く美味しいんですが、育ちすぎると難しいんです。毎年(一部ですが)12kgを超える特大のすいかが育ちますが、なかなか売れなくて苦労しています。」との事でした。

冷蔵庫に入らない、家族で食べきれない、送料が高い等、色々な要因から、通販での販売をあきらめ、直接農園に買いに来られた方に、安く分けているという状況でした。

園主「一番美味しい特大すいかが、在庫処分みたいな価格でしか売れていかないのはどうにも納得できないし、すいかがかわいそうです。何かこの子たちが日の目を見る方法はないでしょうか?」まさに子を案ずる親のお悩みです。

土屋「まずは“美味しい”以外の、魅力をみつけましょう。美味しさは、実際に食べてみないとわかりません。味とは違う新たな魅力を打ち出せるかどうかがカギです。」とお伝えしました。

色々考えていただきましたが、出てくるのは、土づくりから手間ひまかけているすいか栽培への徹底的なこだわり(主に技術的な)の話がほとんど。じっくりお話を伺えば、たしかに凄いというのはわかるんですが、話が専門的になりがちですし、そもそも左脳で理解すべき特徴ばかりなので、理解はできても心が動きません。

そこで私は

「この特大すいかができる確率は毎年1%の確率。ということは無事に育った特大すいかは強運の持ち主と言えますよね。つまり、

【幸運のすいか】【縁起の良いすいか】

これが特大すいかの“美味しい”以外の明確な魅力ではないでしょうか。」

とお伝えしたのです。

幸運とか縁起が良いというのは右脳を通じて直感的に伝わり、私たちの心に響きます。結果、冷蔵庫に入らないとか、送料が高いとか、食べきれないとかいったマイナス要因はほぼ意識されなくなります。

運気アップ、家内安全、合格祈願、金運アップ、恋愛成就等々、私たちの生活の様々なシーンに食べていただくorプレゼントしていただくのにぴったりな商品と認識されていくようになります。これが“縁起物”の強味!

さらに、通常のすいかとは一線を画した商品であると認識していただくために、独自の商品名を付け、専用ロゴをつくりました。

※通常のすいかは、2L(7kg〜8kg)、3L(8kg~9.5kg)、4L(9.5kg~11kg)等、サイズや重量の区別のみ

そしてもうひとつ、希少性・プレミアム性を一層アピールするため、特大すいか1個づつナンバリングをした認定証を制作しました。

※認定証(実物)

これが予想以上に好評で、購入した方からの感想にも、認定証に関するコメントが多く、購入者第1号の方などは『No.01』とナンバリングされた超レアな認定証を家で大切に飾っている写真を送ってくださったほどでした。

これまでその農園のすいかの価格は1個2,900円が最高額でしたが、この商品は5,000円という思い切った価格に設定。にもかかわらず、毎年完売となっています。

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【土屋先生からの一言】

ベースにすいか自体の品質や、園主ご夫婦の魅力あってこそのこの成果ですが、それまで、日陰者だった特大すいかが、一気に人気になったのはやはり“縁起物”のパワーと言えます。 他にも、和食店、お米、みたらしだんご等“縁起物”アピールで売れ方が大きく変わったお店や商品は多いです。

あなたのお店ならではの“幸運”“開運”メニューを見つけていただければと思います。


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