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第24話 飲食店ならではのテイクアウトとは?

新型コロナウィルスの感染が拡大し、店内飲食が減少する中、多くのお店が、テイクアウトやデリバリーあるいは通販に取り組んでいらっしゃいます。中には初めてという方も結構あるでしょう。

しかし、思ったより売れない、という方もまた少なくありません。実は、飲食店さんがテイクアウトなどに取り組む場合、見落としがちな“あること”が存在したのです。今回はそのことをお伝えしていきたいと思います。

イートインが減った分をテイクアウト/デリバリーでカバー

去年の初め頃までは、飲食店=イートインが当たり前でした。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大以降、我が国においても、消費者に飲食店の利用自粛を呼び掛けたり、お店に営業時間短縮の要請をしたり、といった事が残念ながら日常化しています。

イートインが減った分、テイクアウトやデリバリーなどでカバーしようと、みなさん頑張っていらっしゃいますが、以前からやっていたお店は別として、たいていのお店は、大なり小なり、迷いや不安があるかと思います。

ここで、ある居酒屋のご主人のFacebookでの投稿をご紹介させていただきたいと思います。それは、今時の多くのお店(特にお酒がメインの)の気持ちを代弁していると同時に、見落としがちな“あること”に気づかせてくれる内容でした。

ある居酒屋のご主人のFacebookでの投稿

ここからは引用です。==

私的には、居酒屋系のテイクアウトって、本心は、あまり、好きじゃないんですよね~(そもそもがテイクアウトに特化してないので)

というのも、本来、お店の料理って、そのお店の雰囲気やお皿だったり、スタッフの声かけによって、料理の美味しさを演出してる部分もあると思うんです。

それこそ、熱々の鉄板で、ジュージューさせながら、五感を刺激して出したり、ホクホク、焼き立ての状態で、焼き魚を提供したり、

元気よく、スタッフが「お待たせしました~~!!」と笑顔で運んでくる料理が総合して、美味しさに繋がってるわけで、

ただ、パックに積めました!はぃ、いくら?では、

100%うちの「味」をだしきれてないんじゃないか?と。

そういう事ってありません?

==引用ここまで

こういうお考えやお悩みの方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

そもそも「飲食店」ってどんな場所?

そもそも飲食店とはどういう場所でしょう?

「食事やお酒を提供するところ」確かにそうですが、それだけでは飲食店の魅力の一部でしかありませんよね。

飲食業というのは“おもてなし業”です。引用させていただいた文章にもあるように、『本来、お店の料理って、そのお店の雰囲気やお皿だったり、スタッフの声かけによって、料理の美味しさを演出してる部分もある・・・』わけです。

美味しい料理やお酒だけでなく、お店という“場”があり、スタッフの心のこもった接客があって、それらすべてが飲食店の魅力です。

料理を提供するだけだと、仕出し屋さん、弁当屋さん、あるいはコンビニと同じ土俵で戦うことになる。それは違うと思うし、それではお店の魅力を十分お届けできません。

なので、テイクアウトもデリバリーも通販も、“おもてなし業”である飲食店としては、料理以外の魅力も一緒に届けることを心掛けてほしいと思います。

難しく考える必要はありません。

テイクアウトしたら[女将からの丁寧な手書きメッセージが添えられていた]とか[シェフ秘伝のレシピももらえた]なんていうのも、料理にプラスした“おもてなし”ではないでしょうか。

あなたのお店ならではの“おもてなし”の提供方法を、ぜひ考えてみてください。

私事で恐縮ですが、去年オンラインで参加した、とあるワインバーの周年祭などは大きなヒントになると思います。

自宅オフィスのパソコンの前にワインとつまみを並べ、お店で開催された(無観客の)周年祭ライブを楽しむ、というものでしたが、満足度は予想以上!

しばらく会っていない店長の楽しいトークとか、店内の雰囲気など、酔いもあって、だんだんお店にいるような気分になれ、とても楽しかったです。

この辺りは今、複数のお店と協力して試行を始めているところです。また結果が出ましたらこのコラムでも紹介していきたいと思います。お楽しみに!

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