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第22話 リスト力

今回は、顧客リストの持つパワーの話をしたいと思います。
このコラムの第1話でも「お客さんとの定期的な接触」すなわち、顧客リストの収集と、定期的な情報発信の実践に取り組むことが最優先事項だとお伝えしました。
実は、コロナ禍の今こそ「リスト力」が非常に重要なお店の武器、財産になってきているのです。


誰にも必要とされてない?・・

 

コロナ禍で外食に逆風が吹き荒れ、多くの飲食店さんが新たなチャレンジをされています。しかし、(イートインの)お客さんが来ない、テイクアウトやデリバリーがなかなか成果が出ない、通販も始めたが売れない、という方が結構いらっしゃるのも事実。最近、そういった相談が多いです。

そして、こういう状態が続くと・・・

『ウチの店は誰にも必要とされていないんじゃないか?』とか、

『飲食店はもう要らなくなってしまったんじゃないか?』

などと、悪い方に悪い方に考えていってしまう方もあるのです。

年末のコラムの文末にも書きましたが、そんなことはありません。

“本当は誰もが外食したいんです!みんな飲食店が大好きなんです!”

そしてもちろん、地域密着のお店が必要とされないわけがないのです。

これは約15年以上、地域に根ざした個人店・専門店の飲食コンサルタントとして仕事をしてきた私の経験からもはっきり言えます。

少々前置きが長くなりましたが、今回は改めてリストの重要性の話をします。

顧客リストの重要性

新型コロナの感染拡大が顕在化して約9か月、昨年私がお話を聞けた範囲でも、栃木のレストラン、長野のキッチン、静岡の蕎麦、名古屋の焼肉、和食、中華料理、うどん、愛知のラーメン、カフェ、岐阜の洋食、三重の鉄板焼き、山口の食堂などは、昨年5月の緊急事態宣言明けから、比較的堅調に推移されています。中にはすべての月で前年を上回っているお店もあります。

業種も地域も様々ですが、共通するのは皆さん「リスト力」があること。

知らせる力があればいいんじゃないの?というご指摘もありますが、それでは、資金力やマンパワーがあるお店に限られてしまいます。

地域に根ざした飲食店専門のコンサルタントである私としては、小規模・小資本のお店でも、無名のお店でも戦える方法をお伝えしています。

コロナの感染拡大で、行動変容を迫られた消費者に対応するため、飲食店も新たな取り組みを始めてきました。しかし、イートインはもちろん、テイクアウト、デリバリー、通販何をやるにも「リスト」があるかどうかで反応が全く違います。

ポスティングより優先すべきは「リスト力」アップ

新規の向けの広告やポスティングは、すぐに反応が出ませんし、たとえ買っていただけても、最初は様子見感覚で安いものになりがち。

しかも“ここがポイントなのですが”実店舗への来店促進と、テイクアウトやデリバリーの購買促進では必要とされる告知頻度が違います。いくつかの店舗で結果が出ていますが、テイクアウトやデリバリーは高い頻度で継続的に告知をしないとすぐに売り上げが下がってくる傾向があります。

人も資本も限られているお店にとって、継続的に広告を打ったり、ポスティングや手配りをするのは厳しい。しかも、たいてい低反応。そこで、大切なのが「リスト力」のアップなのです!

店内アンケートなどでのアナログでの情報収集の場合、日々、利用するお客さんに声掛けをして、顧客情報を1か月で30名集めることはそれほど難しくないはずです。続ければ、3ヶ月で90名、6か月で180名の顧客リストが集まります。

結果が出るまでの目安は「半年」

席数20席ほどの、客単価千円以下のランチ中心のお店なら、半年で客数が安定してくるはずです。1年経てば強いお店に生まれ変わります。※顧客情報を収集しながら継続的に情報を発信していくことは必要

もしこのお店がその倍のペースで顧客情報を集めることができたら、1か月で60名、3ヶ月で180名、つまり3ヶ月で変われるといっていいでしょう!

たしかに今日の明日で結果は出ませんが、取り組めば必ずあなたのお店が徐々に強いお店になっていきます。

※顧客リストの集め方については、コラム第2話第3話をご覧ください

リストのもう一つの強みは、広告やポスティングに比べて、圧倒的に費用対効果が高いこと。これは、繰り返し告知が必要なテイクアウトやデリバリーに向いています。

顧客リストを持つことは、業績アップのすべての基本と位置づけ、このコラムを読み終えたらすぐに、取り組んでいただければと思います。

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