第107話 あなたのSNS、大丈夫?

今や新たなコミュニケーションツールとして、私たちの生活に浸透した感のあるSNS。無料で始められるというハードルの低さもあって、飲食店においてもPRや集客のツールとして活用するお店が増えました。

今回は、最新のアンケートや、私自身が直接お店から聞いている話などを踏まえ、SNS活用についてのポイントや注意点をお伝えしていこうと思います。

まずは、飲食店経営者及び運営責任者約500人を対象にしたWebアンケートから主なものを見ていきます。

SNSの利用については、飲食店の80%以上がお店のPRや集客ツールにSNSを使っているとの事でした。

そして、最も活用しているSNSはInstagramが、全体の約60%にのぼっていて、2位のFacebook(約20%)に大きく差をつけています。成果や手応えについても、活用している半数以上のお店が「お店の認知度が上がった」「実際にお客さんが増えた」と回答しています。

私が聞いている範囲でもInstagram」で成果が出ているお店が一番多く、写真投稿系のSNSであるInstagramと飲食店は相性がいいと言えます。

ただし、年代別の利用率を見ると、50代以上ではFacebookがInstagramを上回ります。もしあなたのお店が50代以上の、特に男性がメインターゲットの場合は、Facebookメインがいいでしょう。

※今はこの2つのSNSは連携できるので便利ですね

また、更新頻度は、毎週1〜3回が30%以上、月2〜3回が20%ということで、全体の半分以上のお店が、比較的緩やかな更新頻度となっています。

(以上、2022年6月飲食店.comアンケート、2022年9月Gaiaxデータより)

しかし「一生懸命投稿しているが、手ごたえを感じない」とか「来店促進どころか“いいね”も中々もらえない」と言う声も結構耳にします。中には「最近全然投稿していません」なんて方もあり、久しく投稿がないアカウントを見かけるようになってきました。

SNSとは「social networking service」の略。インターネット上で、個人同士が繋がれるような場所を提供しているサービスの総称です。

言い換えれば、

インターネット上での“人と人との交流の場”

なわけです。広告のように、発信者が言いたいことを発信するだけの道具とは違います。

この特性を十分理解して活用しないと、せっかく頑張って投稿しても、反応がない、あるいはかえってお店のイメージが悪くなる、なんていう事もあるので注意が必要。

例えば、日替わりランチを美味しそうな写真と共に毎日アップするのも、自慢の新メニューをアップするのも効果はあるにはありますが、前述のアンケートのように、今や8割以上のお店が発信しているので、以前より確実に反応は落ちています。

よほどの人気店とか熱心なフォロワーさんがたくさんいるお店でない限り“交流の場”にふさわしい情報とはいいにくいです。

繰り返しますがSNSは告知ツールではありません。“交流の場”に向いているのは、

「今日のランチ」より「今日の賄い」

「新メニュー」の紹介より「新メニュー開発中」

といったような情報です。

また、手応えを感じられないと嘆く前に、そもそもあなたのお店のSNSがあまり知られていない。という点はいかがですか?知られていなければ、当然反応は得られません。

知られていない原因は、主に二つ。

「投稿頻度が少ない」「フォロワーが少ない」か、だと思います。

○投稿頻度について

前述のアンケートによれば半数以上のお店が、週1-3回~月に2-3回という頻度でしたが、私の知る限り、SNSによる集客が成功しているお店は最低週5回は投稿しています。毎日1投稿を目標に発信していただければと思います。

注)LINEのメッセージ配信は投稿ではなくメールに近いので、週1回が限度です。それより頻度が高いと(場合によっては週1でも)ブロックされる確率が高いので要注意!なおタイムラインへの投稿は毎日していただいてOKです

○フォロワーについて

まずは来店客とつながっていくこと(顧客リストの収集)に集中していただければ質の高いフォロワーや友だちが増やせると思います。

これも私が聞いた範囲での意見ですが、地域密着のお店の場合、来店客からフォロワーや友達になっていただいた方が1店舗で1,000人を超えるぐらいになってくると、手応えを感じることが多いようなので、そこを目指していただければと思います。

また、当たり前かもしれないですが、SNSで集客できているというお店は皆、「新メニューや・季節メニューをタイミングよく投入」したり「心のこもった接客を心掛ける」といった、基本となる地道な努力も実践されていました。


土屋先生からの一言

あなたのお店のSNSの使い方はいかがですか?一番大事なことは、

告知ツールではなく、“人と人との交流の場”であること

これを常に意識して投稿を心掛けていただければと思います。


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