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第11話 お店の“思い”の伝え方
第8話から前回の第10話まで、地域に根ざしたお店の“ブランド化”の決め手である、お店の“思い”とはどんなものか?という点についてお話してきました。
※初めてこのコラムをご覧になった方は、第1話からお読みいただくことをおススメします。 こちらからどうぞ → Link
さて今回は、お店の“思い”をどうやって、お客さんに伝えるかというお話をしたいと思います。
それは、以下の3つのステップをクリアすることで達成されていきます。
お店の思いの伝え方 3つのステップ
step1:言葉にする
お店の“思い”が明確になったら、まずはスタッフに伝えましょう。言葉にすることで、徐々に浸透していきます。朝礼などで繰り返し伝えてください。
繰り返すことで、聞く側も伝える側(社長や店長)も、より理解が深まっていきます。
しかし、常連さんならともかく、まだお店を利用したことがない方や、1-2度利用したぐらいのお客さんには“言葉”だけでは不十分なのです。
step2:“売り”を明確にする
“思い”というのは形のないものです。その“思い”をメニューやサービスといった形あるものに落とし込んで初めてお客さんにも伝わっていきます。
例えば、前回お話しした『地元の子供たちに喜ばれるお店になりたい。』という“思い”をお持ちだった、繁盛蕎麦屋さんにも、その“思い”を形にした“売り”がありました。“売り”は“思い” を伝えるための武器なのです。
・家族連れにうれしい個室の完備
・デザートが充実したコース料理 等々
ちなみにこのお店、蕎麦通も一目置く美味い店ですが、勝負しているのはそこではありませんでした。これが地域に根ざしたお店の戦い方。
ただ、お店の“思い”をより多くの方に伝えていくには、もう1段のステップアップが必要です。
Step3:「○○なら一番!」と思ってもらう
私たちの1日の大半は仕事や学校に時間を割かれ、残ったオフの時間は家族や友人、恋人との時間や、趣味などで手一杯です。また今なら、これにプラスしてコロナウィルス対策でしょうか?
つまり、お店のことを意識するのはほんのわずかな時間でしかありません。
ですから「あの店の料理は最高だね!」とか「あそこの接客は素晴らしい!」など『○○ならあのお店が一番!』と思ってもらうことが必要です。そう思ってもらって初めて、お店に興味を持ってもらえ、覚えてもらえます。
また、そう思ってもらうことで「なぜそんなにすごいの?」「何のためにそこまでやるの?」(これがお店の思い)というところまで関心を持ってもらえるようになります。(聞く耳を持っていただける)これでやっと、お店の“思い”が多くの方に伝わりやすくなります。
ちなみに「○○なら一番!」は、世界一とか日本一でなくて、もちろんOK。
商圏内一番をまずは狙ってください。
しかし、このStep3で間違えてしまう方が結構いらっしゃいます。地域密着の個店・専門店には、大手チェーンや老舗とは違う、地域に根ざしたお店ならではの「一番」の獲り方があるのです。ここについては次回詳しくお話ししたいと思います。
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