第116話 脱・忘年会2
今回も、引き続き「脱・忘年会」についてお伝えしていきます。
まずは各地の地域密着の飲食店さんの12月に向けた取組みをご紹介します。
中部地方 居酒屋
弊店は店の規模が小さく座敷が最大18席なので、一日一組で、お客様のお仲間の会に使っていただこうと考えてます。
少人数での宴会になると思うのでご自宅でもできる中食需要も掘り起こしたいです。例えば店では5,000円の予算でも、自宅などで3,000円で宴会ができるような形です。(飲み代で稼げないのは痛いですが…)
あとは昼宴会。70代〜の方をターゲットに考えています。まだまだお元気な方が多く、バブル期の華やかな時代を知っている方も多いですから
関東地方 ビストロ
数年前から時間制の飲み放題を廃止しました。小さな店舗なのでMAX20人入れても会社関係の忘年会だと、料理と2時間飲み放題で予算お一人¥5,000、合計¥100,000。
コロナで、遅い時間はお客さんが見込めない状況なので、18時ごろ開始で20時過ぎには終わってしまいます。代わりに、料理は御予算で用意し、ドリンクは来店されてから通常通りオーダーして貰うスタイルに変更。
ワインに拘った店舗なので飲み放題で低価格ワインをがぶ飲みするより、好みのワインをゆっくり楽しむ御客様にご利用いただきたいです。
予算が決まってる御客様には厳しい店に感じてしまうかもしれないのですが少人数で、料理とワインをゆっくり楽しんでいただければと思います。
関東地方 レストラン
当店はコースの方がアラカルトより原価率はかなり高めなので作るのは大変ですが、お客様の評判も売上的にも良いです。
会社で宴会芸禁止例が出るとなると会社関係のお客さんがメインなのですが、特に対策はしていません(汗)
常連さんの少人数での忘年会をメインに狙っていきます。
中部地方 ステーキレストラン
現在の予約方法(人数縛りのない一組のみの貸し切り営業) ですので、恥ずかしながら特に年末商戦集客対策といえるような事はしておらず通常どおり営業しております。
大人数の宴会が出来ない変わりに、近所の企業様向けに福利厚生での仕事納め弁当や、一般家庭向けの年越しオードブルなどに取り組んでいます。
(告知は折込チラシを活用)
この地域の飲食店の常であった、送迎付きの団体の宴会で稼ぐっていう図式が、コロナで変わってしまうような気がしまして高単価でも付加価値を上げて、わざわざ都会から目掛けてもらえるように方向転換しました。
まだまだ軌道に乗っているとは言い難い状況ですが、少しずつリピーターも増えてきて、想定どおり市外からのお客様が8割近くになっております。
中部地方 うどん専門店
忘年会対策、考えていませんでした。12月は蕎麦の時期なので、年明けうどんの準備に力を入れています。うどんすきなどの忘年会も対応できますが、第8波があるので積極的にアピール出来ずにいます。
現状は、美味しいうどんを一杯一杯提供していくだけのように思います。
関東地方 うなぎ・和食
現在、少人数でのお祝い、家族会食などの予約が入ってるので12月も引き続きお祝い需要の予約を伸ばしていきたいと思っています。
会社での忘年会、新年会はほぼ無くなったので少人数の予約をこれから伸ばしていこうと考えています。
関東地方 焼肉店
コロナ前のように企業へ営業に出向くことも出来ず、店内告知や声掛け、SNSでのお知らせが中心です。今 一件だけ12月に16名様の団体がご予約頂いてますが、それも休日ならやりますという条件付きです。(要は貸切希望)
企業名義の宴会は少なくなっていくとは思いますが コロナが落ち着けば以前のようにそこそこ動くと思っています。去年は6名前後の小宴会は結構あったので今年も期待はしてますが、市役所勤務の知人はやはり、上から暗黙の了解で大勢は参加禁止らしく、蓋を開けてみなければなんとも言えない状況です。
関西地方 割烹
接待のお客様が9割以上なのでイベント事には弱いです。しかしほとんどのお客様がリピーターなので少人数の年末のご接待が期待されますがコロナの影響次第だと思われます。
去年の12月はコロナ禍でも過去最高益をあげているので今年も通常月よりかは売り上げが立つと予想しています。
今は儲けるというよりかは穴を塞いであまり余計な事はせず目の前のお客様だけに集中してリピートしてもらえるようにサービスしています。
みなさん、知恵を絞り、試行錯誤しながら工夫されているのがよくわかります。
そしていくつか共通項が見えてきました。
「会社主導の宴会の縮小」「少人数」「親しい人との会食」「久しぶりの集まりはちょっと豪華に」「常連さん・リピーター中心」
このあたりが脱忘年会のキーワードだと思います。
そもそも忘年会とは、鎌倉時代に貴族など上流階級の人たちが集い、連歌を詠みあった「としわすれ」という行事が起源と言われています。※諸説あります
現在の忘年会のような飲み会ではなく、雅で厳かな行事だったようです。
私達も今、忘年会の原点に帰る時ではないでしょうか?
【土屋先生からの一言】
先週と今週でご紹介したお店のほとんどが地域密着の30席以下の個人店さん。繁華街やオフィス街の大箱のお店にはそのままでは活用しにくいかも知れません。しかし、コロナ以降外食事情は大きく変わりました。この流れは止められないと思います。
あなたのお店ならどう活用できるか、というスタンスで考えていただければと思います。
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