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第101話 【保存版】顧客リスト収集 実例紹介

このコラムで折に触れて【コロナ禍において、お客さんとの定期的な接触が一層大事になってきた】とお伝えしてきました。

そして【定期的な接触を実践するためにまずは顧客リストを収集しましょう】というお話もしてきました。顧客リストの集め方については、コラム第2話第3話で解説していますのでそちらをチェックしてください。

とはいえ、お店を繁盛させるうえで大変重要な“必須項目”にもかかわらず、

取り組んでいる方がまだまだ少ない。また取り組もうという気持ちはあるけど、最初の一歩が中々踏み出せないという方が結構多いのも事実です。そこで今回のコラムでは、実際に取り組んでいるいくつかのお店の実例を可能な限り公開して、具体的なイメージをつかんでいただこうと思いました。

無料セミナーなどではあまりお話しない内容ですが、今回はコラム通算100話記念という事で公開していこうと思います。保存版です!

まずはおさらい。顧客リストはどれだけ集めればいいのか?

席数の20倍が一つの目安 

※ただし、客単価の違いや来店頻度によって変わる

客単価千円以下のランチメインのお店なら席数の10倍程度でも十分ですが、ディナー中心の客単価5千円以上のレストランなら30倍は欲しいところです。

また、この数字はアナログで顧客情報を収集した場合の数字です。デジタルでの顧客情報収集(メルアドやSNSアカウントなど)の場合、より多くのリストが必要です。

30席以下の個店で、来店客に絞って地道にフォロワーや友達を集めた場合でも、最低1,000リストが目安です。

では早速実例をご紹介していきます

アナログでの顧客情報収集のケース

その1:愛知の創作料理レストラン 

席数:16  リスト数:900 集め方:店内アンケート リスト収集期間:4年

席数の50倍以上のリストを保有。客単価1万円のお店なので、このくらいのリスト数は必要です。SNSも併用して、ハガキの頻度は2か月に1回。DMの平均レスポンスは約8%との事。来店客一組当たりの平均客数は2.2人なので、

(900×8%)72名×2.2人×10,000円=1,584,000円

となり、2か月に1回のDMで、月平均80万円近い売上が見込めるのです。席数16の小さな個人店。毎月の売上の多くをこのDMで稼いでいるといっていいでしょう。

その2:東京の蕎麦屋

席数:25 リスト数:300 集め方:店内アンケート リスト収集期間:1年

ハガキDMの送付(全リストに毎月1回)、さらに60人ほどの上得意客の誕生月には封書DMも郵送。ハガキの平均レスポンスは15%(ただ、ハガキをきっかけに複数回来店していると思われるので、実際のレスポンスはそれ以上と考えられます)バースデー封書DMには30%以上の反応があるそうです。

さらに、リスト収集を始めたころから店主自ら毎日ブログを書いています。リスト数はまだ席数の12倍ですが、お昼の売上比率が高いお店なので、これでも結構売上に貢献しています。地元の常連さんに愛されて、コロナ禍でも業績堅調なお店。

その3:群馬のラーメン店

席数:45 リスト数:850(450 住所氏名、400メールアドレス) 

集め方:店内アンケート リスト収集期間:1年 

このお店はアナログとデジタルを併用して収集。地元ファンが多いお店だったので、半年ほどで席数の10倍にあたる450リストの収集をクリア。その後は新規のお客さん中心に、来店者限定メルマガへの登録を促進し、月1回のハガキDMと週1回のメルマガを配信している。ハガキDMの反応は20%前後、ハガキのお客さんは家族連れで夜に来てくれる方が多いので、売上の大きな柱になっています。街道沿いでフリーの来店客も多いお店なので、今後はデジタルでのリスト収集に力を入れていくそうです。ちなみにメルマガの反応率はハガキの5分の1程度との事。

■成功例から見えてきたリスト収集のポイント

アンケート用紙はテーブルにおいておいておくだけではだめ。必ずスタッフが声をかける必要アリ。すべてのお客さんに声をかけるのではなく、一日一人、一組でもいいので、会話ができた方とか、また来て欲しいな、と思った方に声をかけてください。

また、リストをしっかり収集できているお店によれば、声がけのタイミングは食事メインのお店ならデザート提供後にドリンクを出す時や、食べ終わった直後にお茶のお代わりをお出しするのがいいそうです。居酒屋さんなど追加注文が多い業態の場合は追加オーダーが落ち着いた時や、コースのお客さんなら〆の一品を提供した時などにお声がけしているとの事。

さらに、アンケート収集の大義名分をお伝えしたり、今後お知らせするツール(ハガキ等)の現物を見せるのも大事です。

以上、アナログでの顧客情報収集の代表例をご紹介しました。

ちょっと長くなりましたので、デジタルでのリスト収集の事例や、お店とお客さんの関係が強いと、驚くほどの成果が出た事例などは次号にお伝えしたいと思います。


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