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第9話 地域に根ざしたお店の“ブランド化”

前回「ブランドとはそもそもどういうものか」というお話をしましたが、今回からは、地域に根ざした、地元密着の飲食店がどうやって“ブランド化”するのかについてお話ししていきます。実は、地元密着のお店の“ブランド化”は、誰もが知っている有名店や、大手チェーンのそれとはやり方がかなり違います。

そして、第8話でもお伝えしましたが、人口減少&情報洪水という二つの嵐が吹き荒れている今、ブランドはもはや大企業だけのものではありません。個人や中小企業もブランド化していかないと競争に勝てない。そういう時代です。 

【ブランド店の例】

○有名なカリスマシェフがプロデュースしたお店

例えば、和食の鉄人、道場六三郎氏の「ろくさん亭」とか、イタリアンの巨匠、落合シェフの「LA BETTOLA da Ochiai」など

○権威ある・有名な団体から評価されたお店

ミシュランの星が付いたお店なんかがその代表例ですね。ミシュランガイドに掲載されたとたんに、半年先まで予約でいっぱい、なんてこともあるようです。

他にも人気グルメサイトやグルメ雑誌のランキング1位などもそうです。

○老舗

例えば“寛永○年創業の料亭” とか“創業100年の洋食店”など、歴史ある銘店はまさにブランド店と言えます。

こんなお店なら、よく知らなくても、行ったことがなくても『機会があれば、ぜひ行きたい!』となるのではないでしょうか?

いわゆる「普通のお店」はどうしたらいいの?

しかし、このような“わかりやすい”ブランド店はごく一部。 世の中の大半のお店は有名なカリスマシェフもいないし、ミシュランの星も付いてないし、創業何百年という歴史もありません。

※誤解のないよう言っておきますが、カリスマシェフがいなくても、ミシュランの星が付いていなくても、創業何百年という歴史がなくても、魅力たっぷりのいいお店はたくさんあります。

では、そういうお店(いわゆる普通のお店)が、有名店や老舗に対抗して、「ブランド化」するにはどうしたらいいでしょう。

【有名店や老舗に負けないブランド戦略】

それは、お店の“考え方”や“姿勢”をお客さんに伝えることです。料理や接客を通して“お客さんにこうなってほしい”。あるいは“地域の人々のためにこうありたい”という心意気。私はこれを、お店の“思い”と呼んでいます。この“思い”を伝えることが大切。

そうすることで、お店の個性が際立ち、一定のお客さんが共感してくれます。そしてその一部は熱心なファンになってくれるはずです。

この方法こそが、地域に根ざしたお店ならではの、お店の“ブランド化”なのです。

あなたのお店は“なぜ”「○○なお客さんに、□□な料理や、●●なおもてなしを提供する(したい)のか?」この“なぜ”がまさにお店の“思い”と言えます。

ぜひ自分自身に問いかけていただければと思います。

しかし、いくら“熱い思い”や、“崇高なこころざし”があっても、それがお客さんに伝わらなければ、ブランド店にはなれません。次回は、お店の“思い”をどうやってお客さんに伝えるか?というお話をしたいと思います。

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