第34話 今時の集客

突然ですが、あなたは[平日夜の集客]に苦労した経験、ありませんか?コロナ感染拡大のずっと前から、飲食店の重大テーマの一つだったと思います。私もよくご相談を受けました。

今回は、[平日夜の集客]に有効な方法の一つをご紹介したいと思います。

もちろん、今すぐは難しいかもしれませんが、機会を見て取り組んでいただければと思います。地域密着の個店・専門店さんにおススメの方法です。

それは

【お客さんと一緒に集客する】

という方法。

具体的な例をご紹介しましょう。とあるエスニック料理店のお話です。

料理は◎。多くのエスニック好きがハマるお店だと思います。

しかし、会社帰りにふらっと寄るイメージはありません。非日常のお店の代表格と言えます。

今までもクリスマスやバレンタインなど、いわゆる“ハレの日”需要を狙って、お客さんに向けて様々な提案をしてきました。もちろんお店の個性を意識しながら。

そのひとつである、ハロウィンパーティも以前からやっていたのですが集客はイマイチ。しかし、2019年のハロウィンパーティは大盛況でした。

2019年は、ある常連さんから、ハロウィンパーティを主催したいので、お店を使わせてほしいという申し出があり、お客さん主催のハロウィンパーティとなりました。

顔の広い常連客のおかげで、予約申し込みも順調。結果、チケットは完売。パーティは大成功でした!

それまでのハロウィンパーティと一体何が違ったのでしょう?

もちろん、私的なパーティでは、知り合い以外は参加しにくいのですが、この時は、常連さん主催とはいえ、彼の大好きなお店での開催ということで、A店が大好きな人集まれみたいな呼びかけをし、知り合いだけじゃなく、A店のファンも気軽に参加できるオープンなパーティの開催となりました。

皆さんも考えてみてください。どちらが来てくれる可能性が広がるか?

1.A店主催のパーティ

2.○○さん主催のパーティ(会場はA店)

「A店主催のパーティ」に来てくれる可能性があるのは、A店のファンがほとんどだと思います。そして、その人数は多くない(過去の実績によれば)

しかし「○○さん主催のパーティ(会場はA店)」の場合は○○さんの知人友人と、A店のファン両方が来てくれる可能性があります

今時は、SNSの普及などで個人の情報発信力が上がっていて、お店よりも強力な発信力・人脈を持っている個人も少なくありません。

つまり、お店主催のパーティよりも多くの人に声をかけることが可能になったりもするのです。

そして、意外に効果があったのが、来店客へのお店からの声がけでした。

お店主催の時は売り込みっぽいので、なかなか声がけが徹底しない。しかし、お客さんの主催であれば、声をかけやすいということで、スタッフ全員、しっかり声をかけることができました。

実際、お客さんの心理的な抵抗も違ってきます。

「今度の当店のハロウィンパ-ティ、楽しい企画も用意してますのでよかったら来てください。」といわれるのと、

「今度、○○さんていう、ウチの常連さんがお店でハロウィンパ-ティを開くんですよ、楽しい企画もあるみたいなので、よかったら来てください。」

といわれるのと、どちらがストレスを感じにくいでしょう?

つまり、お店もお客さんも“ストレスフリー”というわけなんです。

後日、このお店のオーナーから連絡がありました。

「土屋さん なんかちょっとわかった気がします。これからも、平日の夜は

お客さんと一緒に盛り上げていきます。」

その後、このお店は地元在住の紅茶マニアの方とのコラボでセイロン茶と

カレーを楽しむ会、というのも成功させました。

コロナ禍の今も、元気に営業しているお店です。


【土屋先生からの一言】

地元に根を張った、歴史あるお店ならともかく、比較的新しいお店の平日夜の集客は簡単ではありません。

しかし、お店がまだ新しくても、来てくださっているお客さんの中には、

生まれてからずっとその地域に住んでいる方や、すごく顔が広い方もきっといらっしゃるはず。

そういう方たちと一緒になって、お客さん主催のイベントやパーティをいくつか開催するという方法は、地域密着のお店には有効だと思います。

手間暇はかかるかもしれませんが、お店単独での集客に比べれば強力!これからは【お客さんと一緒に集客する】というのが、夜の集客の切り札のひとつになっていくかもしれません。

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