第79話 お客さんはなぜ来ないのか?

先週、先々週と2週にわたって、既存客や見込み客に定期的に情報発信をしていくことが、まず今やるべき事だというお話を、事例も交えてお伝えしました。

しかし、このコロナ禍です。すぐに結果が出ると言うものではありません。

そこで今回は、お客さんにあなたのお店を利用してもらう確率を高め、少しでも早く結果が出るにはどうすればいいか?という点についてお伝えしたいと思います。もちろん、こまめな情報発信をまずやっていただく事が前提です。

例えば、一度来店して満足してくれたのに再来店していただけない理由は何でしょう?

1.魅力的なお店が他にもたくさんある
2.なんとなく忘れていた

この2点がほぼすべてです。といいますか、1も2も「次から次へと様々なお店情報が入ってくる」事が原因。要するに情報が多すぎて、以前あなたのお店に満足したにもかかわらず、ほかに目移りしたり、あなたのお店を忘れてしまっているからなんです。

では、これを回避するにはどうしたらいいでしょう?

お店を利用したことのあるお客さんの多くは、ある一定の条件が満たされると、高い確率でリピートしていただけます。

条件1.以前利用した時に、料理や接客などに満足した

※これは前提条件

条件2.SNSやメールやはがきなどでお店とつながっている

※コラム77話78話でお伝えした“まずやるべき事”

この二つの条件がそろうと、お客さんの気持ちはかなりあなたのお店に傾きます。

いつか来てくれればいい、という状況なら、AとBを地道に継続していけばよいのですが、今時、そうも言ってられません。

そこで、第三の条件が必要になってきます。行動を起こしていただくための「きっかけ」です。

条件3-1. 【お客さん事情による利用動機】が発生した場合

遠方から訪ねてくる友人をもてなしたい

娘の誕生日をお店でお祝いしたい

所属する部門の忘年会の幹事になった 等々

または、

条件3-2. 【お店からの呼びかけ】を受け取った場合

周年記念祭の開催

季節限定メニュー登場 等々

当然【お客さん事情による利用動機】の方が強いです。しかし、これはいつ発生するかわかりません。お店がコントロールするのは不可能でしょう。

ですので、条件3-2、各々のお店の強味を活かした魅力ある【お店からの呼びかけ】を実践していただければと思います。

ただ、平時ならこれで一定の成果が出るはずですが、今はコロナ禍です。お店の強味を活かした魅力ある提案といっても、例にあげておいてなんですが、上記のような「周年記念祭」や「季節限定メニュー」レベルでは、お店とお客さんとの結びつきが強いか、その内容によほどの個性がない限り、スルーされてしまうかもしれません。

そこで重要になってくるのが、そのお店ならではの魅力。

以前、地域密着の個店・専門店でも今時はブランド化が必要というお話をしました。そしてそれは、お店の考え方や姿勢、いわゆるお店の“思い”を伝えて共感していただく事です。そのためには、

「特定の利用動機において、商圏内で一番になること」

が必要だとお伝えしました。

もし特定の利用動機で地域一番が確立できていると、

条件1.の満足度が飛躍的に上がっていて、お客さんの記憶に鮮明に残る

その結果、

条件2.の実践で、高い確率で再来店してくださる

さらに、

条件3.が他店とは一味も二味も違った個性ある“呼びかけ”ができる

というわけなのです。

例えば、

[誕生日を祝うならこのあたりで一番]と思っていただいているのなら、

条件3.は、

「新・誕生日コース誕生」や「究極のバースデープランスタート」

といったオファーが響くでしょうし、

[デートならこのお店!]という評判のお店であれば、

「今週末カップルシートまだ余裕あります」

といった一言で予約が埋まるかもしれません。

また、来店されたことはないけれど、SNSなどでつながっている、見込み客(予備軍)にご来店いただくのも基本は既存客向けの手法と同じです。

違いは、まだ料理も雰囲気も実際に味わっていないという点。そこで、初めての方限定の「お試しプラン」などを設けるのも一手です。

例えば、提供する料理のポーションや種類(あるいはサービス内容)を限定して通常のプランよりリーズナブルに提供するというもの。通常メニューの割引とは違います。初利用のお客様への来店ハードルを下げるのが狙いです。

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【土屋先生からの一言】

このコラムのテーマであり、そしてタイトルでもある、

「忘れられないお店になるために」

ぜひ取り組んでいただければと思います。


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