第52話 お店の“思い”公開講座

地域密着の飲食店さんの繁盛に欠かせない、お店の“思い”。しかしその“思い”を明確にするのに、結構皆さん悩まれています。

そこで今回は「お店の“思い”公開講座」と題し、あるお米屋さんのご主人が勉強会で発表してくれた内容を紹介しながら、お店の“思い”について一緒に考えていこうと思います。

※お店の“思い”って何?という方は、コラム第9話をお読みください

私が主宰する集客UP塾の勉強会では、お店の“思い”を明確にするワークを定期的に行っています。

ただ、いきなり“思い”と言ってもなかなか出てこない方も多いので、まずは お店の“売り”を書いていただき、そのうえで“思い”を明確にしていただくようにしています。


そのお店は、戦前から続いているお米屋さん。飲食店さん向けの業販と、一般消費者向けの小売が約半々といったところです。


まずはそのお米屋さん(以下Aさんとします)の“売り” をみてみます。 (原文そのまま転載)

◆お店の“売り” について(土屋チェック) 全体的に小粒な印象が否めません。そして、どこかで聞いたようなフレーズが多く、残念ながら印象に残りません・・・

“売り”とは思いを伝えるための武器

つまり今回の場合「商売繁盛のお手伝い」をより具体的に、独自の商品やサービスに落とし込み、それを提示することがお店の“売り”になってくるはずです。


例えば、米という商品を売るだけでなく、

【お店(飲食店)の魅力をアップさせ、繁盛のお手伝いができる米屋】

というような方向で“売り”を考えていただくと、独自の“売り”が見つかってくると思います。

もちろん、そもそもの商品力や、お店へのしっかりした提案ができる知識や経験も必要ですが、歴史ある米専門店であるAさんのお店にはそれがあります。


あなたのお店でも、提供する料理やサービスにとらわれ過ぎず、相手(顧客)目線で考えていただくと、響く売りが見つかってくると思います。


<関西の某和食店の例>
絶品!くずし懐石の店 ?

食べた人がみんな、思わず笑顔になる(顧客目線)

笑顔づくり名人の店 ◎


次にAさんの“思い”をみてみましょう(原文そのまま転載)

◆お店の“思い” 土屋チェック

「商売繁盛のお手伝いがしたい。」「貴店の繁盛が当店の願い」

まさにAさんの正直な“思い”なのでしょうが、あまり伝わってきませんよね。食品に限らず業務用・プロ向けの商材を販売しているところなら大抵このようなアピールをしています・・・

もう一段掘り下げて「なぜ飲食店の繁盛を手伝いたいのか?」を考えていただけると、Aさんならではの、そして相手に響く“思い”になると思います。

その後Aさんには昔を色々思い出していただき、

もともと食べること(特にごはんが大好物)が大好だったこと

そして、

学生時代のアルバイト体験で飲食業が大好きになったこと

しかし、

料理はすごく美味しいのに、ごはんがイマイチのお店が意外にあったこと


等の理由から【大好きな飲食店を大好きなごはんで応援する】ことを決意

結果、好きと仕事がリンクし、親の敷いたレールに乗っかるだけでなく、使命感を持って、積極的にお店を継いで現在に至っています。

これがAさんの「商売繁盛のお手伝いがしたい」という“思い”に対する、“なぜ”の部分です。
Aさんは“思い”を言葉にできました。その結果、Aさんのお米は『繁盛米』と、地元で呼ばれるようになり“縁起のいいお米”として、消費者のお祝いニーズなどにも多く利用されるようになりました。

このコロナ禍で多くの生産者さんや食材卸さんが苦労されている中、彼のお店は今日も元気にお米を配達しています。


【土屋先生からの一言】

“思い”と“売り”公開講座、いかがでしたか?

しかし、Aさんもお話を伺うと、心に響く魅力的な話をされていたのに、いざ書いていただくと、どうもありがちな感じになってしまいました。

どなたも最初はそんな感じの方がほとんど。ですから、何度も書いて、そして周りの人に見てもらってください。それを繰り返すことで、自分の本当の気持ちと、書いた内容がだんだん近づいてくるはずです。

あなたのお店ならではの“思い”、明確にしていただければと思います。


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