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飲食店は「新しい生活様式」に対応するため、テイクアウトなど今までと異なる営業形態を模索する必要がある。沖縄市胡屋で外人住宅を改装したおしゃれなカフェとして、長く愛されているBirdland Cafeが味守りプロジェクトへ参加する。

衛生管理で飲食店の新型コロナ対策を応援するプロジェクト。
「衛生管理の見える化」「待たずに受取り」「SNSでのお店とファンの情報交換]を徹底し、それぞれのお店のファンとお店をつなぐ仕組み。
このプロジェクトを通じて、飲食店での「テイクアウト・物販商品の安全確保」と「小規模飲食店の新たな営業方法の確立」を模索する。 

お客様への思い

【写真】外国の絵本を切り取ったかのような店内

「17年前の沖縄はカフェらしいカフェがなくて」と仲村オーナーは懐かしそうに話す。レストランシェフ、バーテンダーの経験を活かして新しい形のお店を作りたいと思い、県内の有名洋菓子店で3年間の修行の後、「こうすれば面白い」と思っていた形でカフェを始めた。
 最初は不安もあったが、口コミで広がっていき、気がつけば17年が経っていた。
 柔らかい日差しが差し込む落ち着いた店内で「きっと楽しんでいたから続けられたんでしょうね。」と仲村オーナーは微笑む。他のお店にはない「味と空間」でお店を作ってきたからこそ、一年目に常連になってくれたお客様が今でも訪れてくれる。
 そして、外人住宅の佇まいを活かした「おしゃれなカフェ」として評判になって、TripAdvisorで人気が出ると、インバウンド客や観光客で客席と駐車場はいっぱいになり、お店は安定した。

今までお店を続けられた理由

「テント貼って頑張ってるから、買いに来たよ」

 しかし、新型コロナウイルスの影響でインバウンドや観光客のお客様が来なくなり、自粛要請を受けて店内での飲食も取りやめると常連客にも来てもらえず、ついに店内売上は全くのゼロになった。
 だが、お店の味には自信があるので店頭でテントを張って弁当を販売した。
 すると、常連客や通りすがりのお客さんに加えて、まったく想定していなかった地元のおばあちゃんたちがやって来た。「テント貼って頑張ってるから、買いに来たよ。」と励ましの言葉をかけてくれた。「地元のお客さんが来てくれた。やっぱり地元のお客さんを大事にしなきゃダメだ・・」と目が覚める思いだった。

【写真】常連さんと地元のおばあちゃん達への感謝と反省を語る仲村オーナー
混んでいると席を譲ってくれる地元客への感謝と恩返し

 「そこ忘れてた。調子乗ってたな。」と素直に反省の言葉と地元のお客様への感謝の言葉を口にする仲村オーナー。
カフェ形式の飲食店は商売としてすごく儲かるわけではないが、週に何度も来てくれて同じメニューを注文してくれる常連さんたちがいる。自分たちが美味しいと思うだけではなく、いつもお店の味を必要としてくれるお客さんがいてくれるからこそ、はっきりとした手応えを感じることができることに改めて気がついた。しかもその常連さんたちは、混んでいると観光客に席を譲ってくれていた。
「視点を変えないと。地元のお客さんに大事にして、還元しながら継続できるお店のあり方にシフトしていきたい。」と話してくれた。

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